トヨタ自動車の米国部門が6月21日、2ドアスポーツクーペ『GR86』に、「AE86」発売40周年を記念して、「トレノ・エディション」を設定すると発表、860台が限定生産される予定!とのニュースを見つけて、写真見てなんでトレノ???と疑問がでて、改めてまとめてみようと思って記事にしました。
初代のTE-27時代から見て来た懐かしさから知っている方も、知らない世代の方も最後まで楽しんで読んでみてください。
1. 序章:レビンとトレノの象徴性
まずは、正式名称ですが、「カローラレビン」と「スプリンタートレノ」。そして、これらの名前を聞くと、多くの自動車愛好家の心が躍ることでしょう。1970年代から日本のストリートカルチャーを彩り続けてきたこれらの車は、単なる移動手段を超えた象徴として多くの人々に愛されています。
2. レビンとトレノの基本的な違い
「同じ車なのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、レビンとトレノは細部に違いがあります。主な違いはフロントグリルやヘッドライト、そしてエンブレムです。これらの違いは、トヨタの異なるディーラーチャネルに対応するためのものでした。
1980年代から1990年代初頭にかけてトヨタが製造・販売していたスポーツクーペのモデルです。両車とも、アニメ「頭文字D」で有名になり、日本国内外のカーシーンで非常に人気があります。それでは、その違いをAE86を代表例にして簡単に見ていきましょう。
・ブランドと販売チャネル:
カローラレビンはトヨタカローラ店で、スプリンタートレノはトヨタビスタ店でそれぞれ販売されていました。この違いは販売チャネルの差によるものです。
・エクステリアデザイン:
基本的なボディ形状は共通ですが、フロントグリルやヘッドライトのデザインなど、微妙なエクステリアの違いがあります。特に1983年から1987年のAE86型では、レビンが固定式ヘッドライト、トレノがポップアップ式ヘッドライトを採用していました。
・バッジやエンブレム:
カローラレビンには「LEVIN」のエンブレムが、スプリンタートレノには「TRUENO」のエンブレムがそれぞれ取り付けられています。
・実際の性能:
メカニカルな部分、特にエンジンや駆動系は、基本的に共通です。AE86型でよく知られる4A-GEエンジンなど、どちらのモデルにも搭載されています。
・ターゲット層:
ブランドやデザインの違いから、カローラレビンはやや実用的で成熟した層を、スプリンタートレノは若々しさを追求する層をターゲットとしていたと言われています。
結論として、カローラレビンとスプリンタートレノの違いは、主に販売チャネルとエクステリアデザインにありますが、その実、中身の性能やメカニズムは非常に似ています。
3. 歴史的背景:初代から3代目まで
1972年、初代レビンとトレノが登場。初代はコンパクトなボディに力強いエンジンを搭載し、新たなスポーツカーの風を巻き起こしました。続く2代目、3代目ともにデザインと性能の向上を遂げ、日本中の若者たちのあこがれの的となりました。そして、4代目で大ブレイクしたので、それまでのモデルをまず見て行きましょう。
初代 (1972-1974年):
1972年に登場。当初は「トヨタ・スプリンター」のクーペ版として、トレノは1972年に、レビンは1973年にデビューしました。
車両形式は
カローラレビン: TE27
スプリンタートレノ: TE27
この時期のエンジンは1.6Lの2T-G型DOHCを中心に使用されていました。この初代から、スポーツ志向の若者たちに人気となり、日本のモータースポーツシーンでの活躍も見られました。流石にデザインも大分古い感は否めないですね。
1975 トヨタ・カローラ 1600 クーペ レビン (TE37)
「のびのび、さんまる。」
2T-G搭載のE30系カローラのホットモデル、レビン。排ガス規制に伴い1年で販売終了となりました。
ADVAN HF Type-DにADVAN SFとアドバン愛を感じる足回り。 pic.twitter.com/ktz3Qhc9Ed
— 1988bmw520i (@1988bmw520i) January 2, 2023
2代目 (1974-1979年):
カローラの5代目モデルに伴い、レビンとトレノもフルモデルチェンジ。
外観はより流麗なデザインに変わりました。
この世代から、燃料供給に電子制御燃料噴射装置(EFI)を採用したモデルが登場。
カローラレビン: TE37, TE51, TE55 (エンジンやグレードによる)
スプリンタートレノ: TE38, TE47, TE52, TE56 (エンジンやグレードによる)
この世代ではエンジンのバリエーションが増え、特に2T-GEU型のエンジンが注目されました。
この型は当時でもイマイチだった気がします。
3代目 (1979-1983年):
カローラの6代目モデルのクーペとして登場。
より洗練されたデザインと、改良された性能を持っていました。
新開発シャシの採用により、リアサスペンションをリーフリジッドから4リンク・コイル+ラテラルロッドに換え、前後にスタビライザーを装着したことで、ロードホールディングを大幅に向上させたのが最大の特徴。
カローラレビン: TE71, TE72, TE74 (エンジンやグレードによる)
スプリンタートレノ: TE71, TE72, TE75, TE77 (エンジンやグレードによる)
やはり…競技車両で良く見ましたね。
TE71良いですよねぇ! pic.twitter.com/bNfoulhoqo
— TK (@mario_tk) August 10, 2023
4. AE86:伝説の誕生
1983年、AE86シリーズが登場。
このAE86型が、カローラレビンとスプリンタートレノの歴史の中で最も有名となりました。
FR(フロントエンジン・リアドライブ)レイアウト、軽量ボディ、そしてレスポンシブな4A-GEエンジンが組み合わさり、ドリフト文化のアイコンとして名を馳せました。
「頭文字D」のアニメ・マンガでの登場もあり、その人気はさらに高まりました。
レビンの外観
トレノの外観、ライトがリトラクタブルでスポーティ感がありましたね。
5. FF時代:5代目から7代目までの進化
1987年、5代目がFFレイアウトとして登場。これは市場のニーズと技術的な進歩を反映したものでした。その後もAE101、AE111と続き、特にAE101はそのスポーティなデザインで大きな人気を博しました。しかし、AE111をもってレビン、トレノの名前は消えることとなります。
86時代までと比べて大分大きくなったイメージですね。
時代的にも車内を広げる為にFF化され車高も下がったと記憶してます。
5代目 (1987-1991年)
車両形式: AE92
AE86の後継としてデビュー。この世代からはFFが主流となりましたが、スポーツ志向を維持していました。
主要エンジンは4A-GE型などが搭載されました。高性能バージョンには4A-GZE型(スーパーチャージャー付き)も搭載されました。
写真が中々無くて…
この時代もレビンは標準ライト、トレノはリトラクタブルですね。
6代目 (1991-1995年)
車両形式: AE101
デザインが大幅に進化し、よりモダンで流麗なスタイルとなりました。
4A-GE型エンジンの最新バージョンが搭載され、さらなる性能向上が図られました。
相変わらず写真が無くて…w
イメージ的には大福潰したようなデザインってイメージでした。
7代目 (1995-2000年)
車両形式: AE111
この世代も引き続き4A-GE型エンジンが搭載されましたが、このモデルをもって日本でのカローラレビンとスプリンタートレノの名は消滅しました。
6. 後継車としての現代の位置づけ
現代のトヨタのスポーツカー、特に86やGRヤリスは、明らかにレビンやトレノのDNAを受け継いでいます。これらの新しいモデルも、過去の名車の魅力を現代の技術とデザインで再解釈しています。
7. 結章:レビンとトレノの遺産
時代が変わっても、レビンとトレノの遺産は色褪せることがありません。数多くのカーショーやイベントでその姿を見ることができ、新旧の愛好者がその魅力に取り憑かれ続けています。
とは言っても中心は86だけで、その陰に隠れている名車としてのレビン、トレノを少しでも知って頂けたでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました
コメント